2019年12月「アクセラレーションプログラム」をテーマにして実施したイベントのレポート第四回です。
今回は参加者とのインタラクティブトークの内容をお送ります。
■「大企業とベンチャーとで事業に対する熱量や文化が違う。この壁はどうしていけばいいのか」
鈴木さん:
スタートアップ協業で生まれた新しい製品をたまたま飲み会で友達になった他社の大企業の役員に直接商談に行ったりしておりました。ベンチャーだから、企業人だから、ではなく、個人がプロのビジネスマンとして能力、スキルを伸ばすことが必要です。
室岡さん:
生活をかけているベンチャーと、リソースを潤沢に持つ大企業が違うのは当然です。同じチームでありつつも互いの違いを認識しつつ、対等な立場でいることが大事です。
今井さん:
はじめは自分よりも広く深く物事を見ているベンチャーの方と会うのは怖かった。ですが、ベンチャー側も実は大企業の持つ規模や歴史の重みを気にしている。立場は違えど、対等なチームメイトとして議論を重ねていく中で内容がどんどん深くなって、お互いの熱量が同期していくのがわかりました。
金丸さん:
ベンチャーと深く接する中で、起業家の苦悩や大変さを知ると同時に、「日々事業と格闘しているこの人たちに貢献したい」という気持ちにもなり、彼らの製品を営業したり、SNSでの発信に積極的に「いいね!」をするようになったり。応援者として接するようになりました。そうすることで、企業という立場を超え、より強固に協力していくことができるようになった。
■アクセラレーションプログラムという名のものはたくさんあるけれど、企業や関わる人によってだいぶ中身が異なってくる。どういうファクターによって変わってくるのだろう
金丸さん:
アクセラレーションプログラムがどんな様相で進むか、それは参画する人が何を見ているかで大きく変わります。物事を進めるときに「社内でどうやるか」に主眼をおいていると社内に通りやすい事業を作るように進んでいきますし、「社会や市場へどうアプローチしていくか」に主眼を置いていれば社会や市場といかに向き合うかを考える方向に進みます。
室岡さん:
「ゴールをしっかり設定すること」は大きなファクターです。プログラムが終わった時にどうなっていればいいのか、プログラムの目的は何か、を明確にする。ゴールがまちまちだとお互いのやることがあべこべになってしまう。アクセラレーターもベンチャーもプログラムを運営する事務局も、一つのチームです。チーム全体でどこに向かっていくかファシリテーションすることが非常に大事になります。
今井さん:
時には、PoCする、事業計画を作る、ではなく、起業家精神に触れて挑戦する土壌をはぐくむことがゴールであるかもしれません。その場合は、KPIを設定することよりも、「チームが自由に、深く議論するにはどうすればいいか」を考えるほうが結果としてうまくいくケースもある。
鈴木さん:
アクセラレーションプログラムを実施する目的は、企業やプログラムによって異なっていて当然です。ただ、そこに関わるメンバーが本気でプログラムに取り組み、最後までやりきると強い意志があるかどうかでアクセラレーションプログラムの内容が大きく変わってくると思っています。
■「アクセラレーションプログラムを成功させるうえで、一番必要だと思うこと」
最後に登壇者から一言ずつもらうことにしました。
金丸さん:
アクセラレーションプログラムに限ることではないのですが、自分の気持ちに正直に向き合うことです。応援したいなと思う人がいれば応援する、やりたい! と思う課題に挑戦する。心が動くものに素直に向かえば、情熱がついてきます。
今井さん:
熱量をどれだけ高められるか、それが一番重要だと思います。
鈴木さん:
勝つまでやることです。
室岡さん:
アクセラレーションプログラムにやる企業も、参加するベンチャーも、「何かを残すんだ」という決意をもってやること。それが一番大事です。
「これからアクセラレーションプログラムを担当するので参考になった」
「実績という結果に限らず、人材教育や楽しむという観点も大切であると感じた」
「本に書けない突っ込んだ事情をもっと聞きたい」
など、イベント後の懇親会でも、熱量のある話があちこちで交わされ、退館の時間を過ぎても終わらない議論が続いていました。
ボーンレックスでは、定期的に大企業向けのイベントを開催していきます。ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。