デフォルト画像 2024/12/19

スマートシティの大祭典!「TAMAテク2024」を開催しました!

こんにちは!ボーンレックス広報の古橋です。暖冬とは言え、冬はしっかり寒い今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
まだまだ暖かかった10月下旬、ボーンレックスはスマートシティの大祭典 第3回TAMAテク2024を開催いたしました!

スマートシティはだれのもの?市民にとっての本当の豊かさを探求する「TAMAテク」

「TAMAテク」ロゴ:まちづくりを通して、人と人とがつながり合うこと、人とのつながりを大切にすることを表現しました。「スマートシティ」はいつも人の豊かな生活を思い描くところから始まると私たちは考えます。

ボーンレックスは、東京都が主催する「東京都スマートサービス実装促進プロジェクト(Be Smart Tokyo)」のスマートサービス実装促進事業者として、東京のスマートシティ化を後押ししています。その一環として、地方創生や日本再生の流れの中で注目を集めるスマートシティの未来をみんなで考え、その可能性を形にするイベント「TAMAテク」を毎年開催しています。
TAMAテク2024では、スタートアップによる最先端のテクノロジーやサービスの展示、VRや体験型コンテンツなど、大人から子どもまで楽しめる多彩なプログラムが展開されました。今年は3年目という節目の年にふさわしく、スペシャルゲストをお迎えしたパネルディスカッションや、会場を飛び出して楽しむ次世代モビリティ体験など、これまで以上にワクワクする内容が盛りだくさんでした!

未来のまちのあり方を考える!パネルディスカッション

今年で3回目のTAMAテク。今年ははじめてスマートシティをテーマに様々なプレイヤーと議論する場、パネルディスカッションを実施しました。

スマートシティは市民QOLをあげるもの

まずは「まちづくりは未来づくり 市民の声でつむぐスマートシティ」と題して、多摩市の阿部市長、「データを用いたまちづくり」の研究者である東京大学の吉村先生(わたしは「スマートシティの父」と呼んでいます)、そして当社の室岡が、あらためてスマートシティの価値〈市民QOLをあげるためのもの〉を定義した上で、市民の声をいかにくみ上げ、そしてそれらをいかにまちづくり〈スマートシティ化〉に寄与させてゆくべきかを議論しました。

スマートシティ化を推進する上で重要なのは、「市民生活のQOL(生活の質)」を中心に据えた取り組みを進めるべきであるという点や、市民、行政、民間企業、スタートアップといった多様な主体がそれぞれの強みを活かしながら足並みを揃えて取り組む必要があるという点が議論されました。

多摩市の職員の方も多く参加してくださり、大いに盛り上がった会となりました。

ワクワクからはじめるスマートシティ

続いて、「UNI-ONEと描く、未来の多摩市~多摩市のいまとこれから、文化の共生・共に生きる~」と題したセッションでは、本田技研工業株式会社でハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」の開発に携わっている中原大輔様、小橋慎一郎様にご登壇いただき、当社代表の室岡と共にスマートシティでは具体的にどのような未来が期待できるのかを話し合いました。

実際に「UNI-ONE」に乗りながら紹介をしてくださりました!

ハンズフリーで乗ることができる「UNI-ONE」は人と手を繋いで並んで歩いたり、傘をさすこともできる。座高を上げることで並んで歩く人と目線を合わせることもできる。人間を中心に据え、さらに人との調和を大切にしたUNI-ONEの開発思想のお話はとても印象的でした。少子高齢化・人口減少を背景としたプロダクトニーズの高まりや、誰でも自由に移動ができる環境づくりとして、鉄道やバスなど様々な乗り物をつなげ“ラストワンマイル”を補完する手段としての提案もありました。

そして議論の途中にはなんと多摩市と日野市の職員の方が飛び入りで参加する場面も。

お二人からは、「まちづくりは地域課題の解決を基点に考えるよりも、スタートアップが持つ新しい技術や発想を起点にすることで、想像を超える未来を創出できるのではないか」という貴重なご意見をいただきました。スマートシティの未来は、もしかすると“ワクワク”から始まるのかもしれません。

多様な視点から、そしてソフト面からも考えるスマートシティ

スマートシティというと、最新技術のIoT化や、次世代型モビリティなどが想起されやすいのですが、先にも議論されたように市民QOLをあげることがスマートシティの本質的な目的であるならば、必ずしもハードなものだけで語られるべきではありません。
ここでは「子連れ防災 母と子を守る新しい安心の形」と題して、最新技術を駆使した1着から生産可能な「AIAS」を開発するAirera株式会社と、大正大学の学生さんたちによって製作された「授乳できる防災服」の紹介と、開発背景や想いについてお話いただきました。
パネルディスカッションには監修でプロジェクトに参加してくださった、授乳服メーカーのモーハウス 代表の光畑さんにもご登壇いただきました。

左より:ボーンレックス 谷口、大正大学 馬場千幸さん、大正大学 外川智恵教授、モーハウス代表 光畑由佳さん、 Airera株式会社 代表取締役 清水広大さん

2024年1月1日に発生した能登半島地震で、大正大学3年生の馬場千幸さんは新潟県中央区において被災。激しい揺れと断水の中、近隣の小学校に避難を余儀なくされました。避難所では、乳幼児を育てる母親たちがプライバシーや快適さを確保できない状況に直面しており、その様子を目の当たりにした馬場さんは、「避難所でもお母さんたちが安心して過ごせる環境を提供したい」という強い想いを抱くに至りました。
馬場さんの実体験がこのプロジェクトのきっかけとなります。
能登半島地震発生前より馬場さんは大学の授業を通じて授乳服を制作・販売する「モーハウス」と関わり、授乳服の新しい展開を提案していた背景もあり、避難所で見た現実を受けて新たに、防災用授乳服の開発に着手することになりました。避難所での生活において母親たちが直面する課題に応えるため、機能性とデザイン性を兼ね備えたトランスフォーム型授乳服を提案しています。

授乳服は撥水性に優れており、雨が降った日には雨除けのポンチョとしても使える。また強い撥水性は汚れにも強く、被災時にも重宝する。

災害が多い日本では、各自治体が都市強靭化などと称して防災を強化していますが、防災備蓄品においては自助に頼る部分が大きいのが実情です。
2013年4月施工の東京都帰宅困難者対策条例では、従業者の3日分の飲料水、食糧その他災害時における必要な物資を備蓄するよう努めることが定められています。命を繋ぐに当たっての最低限の備蓄品ですが、女性や母子へのケアは十分であるとは言い難い状況です。その一方、つくば市は2017年から授乳Tシャツの備蓄を始め、防災キットを用意。現在では、茨城県・岐阜県・奈良県・大阪府の市町村がキットを防災備蓄に導入。普段から使ってもらえるようにと、母子手帳と一緒に授乳Tシャツを贈る自治体も増えています。防災対策や都市強靭化が進む東京において多様なニーズにも丁寧に応えられるよう、「授乳できる防災服」プロジェクトでは、東京都をはじめとした自治体への導入を拡げていくことを目指しています。

未来の生活を感じる!スタートアップ展示

TAMAテク2024には9社のスタートアップが参加しました!(50音順)

▶Upmind株式会社(https://upmind.co.jp/
”人々の人生と心を豊かにする”をミッションに活動する、東京大学発のウェルビーイングテックカンパニー。主に、100万以上ダウンロードの人気マインドフルネスアプリ「Upmind」を開発・運営(東京大学滝沢龍研究室とも共同研究、2023年グッドデザイン賞を受賞)。心に余白をもつことの習慣化を支援するための事業を展開。

▶株式会社アルゴ(https://scanpa.jp/
機械を使わずにコインパーキング運営が可能、完全キャッシュレス駐車場精算システム「ScanPa(スキャンパ)」を開発。
ScanPaはこれまで精算機やロック板(フラップ)といった機械類の設置が必要不可欠であったコインパーキング事業において、掲示しているQRコードを駐車場利用者がスマートフォンで読み取るだけで精算を可能にする完全キャッシュレス型の駐車場精算システムです。土地は、すべて同じではありません。だからこそ、ScanPaは『何を選ぶか限定しない』自由度の高いサービスとしています。

土地本来の価値で、もっと自由に駐車場運営を行っていただくことができるよう、これからも多くの方の土地活用に貢献することを目指して、ScanPaは成長を続けて参ります。

▶株式会社OUI(https://ouiinc.jp/
「世界の失明を50%減らし、眼から人々の健康を守る!!」
医学・工学・ビジネスのプロフェッショナルが力を合わせ、眼から人々の健康を守ることを目指す大学発ベンチャー。場所を選ばず、いつでも、だれでも眼科診察を行うことができる「Smart Eye Camera (SEC) 」を開発。SECは現役眼科専門医が日本及び開発途上国での眼科診療を通じて感じた問題点を解決するため、自ら発案して開発を行い医療機器として実用化に成功した眼科医療機器。

阿部市長もSECを体験されていました(^^)

▶Airera株式会社(https://airera.net/
“母子を守る”防災服を大正大学の学生と共同製作。被災地の母子支援に取り組むモーハウスが監修。
最新技術を駆使した1着から生産可能な「AIAS」を開発。システムへ登録したアパレル製品の生産手配と生産管理を自動化。アパレル産業に革命を起こす。

大正大学の学生さんたちによる気合の入った展示パネルが印象的でした

▶株式会社ストリーモ(https://striemo.com/
「自分のペースで移動できる立乗り三輪電動モビリティ」の『Striemo(ストリーモ)』で、「世界中の人の移動と暮らしを豊かにすること」をミッションとする。
体験試乗で提供したストリーモS01JWは、歩行者扱いになる移動用小型車で、日本初の型式認定を取得しています。年齢に伴う移動課題を歩行領域の移動サポートにより解決し、「出歩きたくなるまち」づくりに貢献します。

TAMAテクの会場を飛び出した、ストリーモ市場体験会。老若男女、たくさんの方に試乗いただきました!乗られた方の中には「買いたい!」なんていう声もありました。

▶株式会社SeiRogai(https://seirogai.jp/
海外進出・海外ビジネスに関する日本企業の課題・悩みの解決支援を行う。
動画制作・映像制作事業及びマーケティング、広告宣伝・ブランディング事業等を展開。
ストーリー性と教育性のある360度VRツアー映像を制作し、多摩市の魅力を国内外に発信。多摩ニュータウンの古代から開発当初、現在の住環境や人々の営みが体験可能。観光DXプラットフォーム「Global Virtual Travel」上に専用ページを構築し、ECサイトや予約システムと連携させ、VRツアーの配信から消費喚起までをワンストップで提供を目指す。(https://www.globalvirtualtravel.com/

VR体験は子供たちにも大人気でした\(^o^)/

▶株式会社JOYCLE(https://joycle.net/
ごみを運ばず、燃やさず、資源化するJOYCLE BOXによるコストカット・CO2削減データを可視化。分散型インフラの普及を通じ「資源と喜び(JOY)が循環(CYCLE)する社会」の実現を目指す。

▶fabula株式会社(https://fabulajp.com/
ゴミから感動をつくる
食品残渣で製作したインテリア小物・スツールの展示会
2021年10月に創業した東京大学発のベンチャー企業で、「ゴミから感動をつくる」をステイトメントにあらゆる未利用資源の価値化を目指しています。バインダーを使用せずに食品廃棄物のみでコンクリートより強い新素材を作る技術を保有しています。新素材の用途は多岐にわたり、雑貨から家具・什器、建材まで幅広い製品を展開しています。

▶LOMBY株式会社(https://lomby.jp/
LOMBYは、ラストマイル輸送領域に完全リモートな労働力供給を目指して開発されたロボット。
ロボットを介して配送業界に労働力を供給するだけでなく、遠隔制御技術を活かした次世代のモビリティインフラ構築を目指す。

さいごに:「TAMAテク」に込めた想い

約50年前、戦後の混乱から脱するために、誰もが一定以上の水準で生活ができるように、そしていい意味で社会の非効率をなくし生産性を上げること。そんな状態を「豊かさ」とし、「大きな機能」として実装した街が日本中にたくさんつくられました。その中でも多摩ニュータウンは国内最大規模のニュータウンで、東京郊外の大規模ベッドタウンとして多摩丘陵を切り拓いて開発されました。
かつて、多摩ニュータウンは東京をリードする街だったのです。
現在、人口減少・少子化が進行する中で、かつての「豊かさ」の考え方は多様化しました。次代の豊かな街づくりとして各地でスマートシティ化が推進されていますが、「スマートシティ」という言葉と技術導入が先行し、本来の目的である「市民にとっての本当の豊かさ」が忘れられているように思います。
現代に生きる多摩市民は、どういう状態を「豊かさ」として捉え、それをどう実現してゆくのでしょうか。
わたしたちはこのTAMAテクを通して、人との繋がりを大切にしながら、 「市民にとっての本当の豊かさ」を考え、表現してゆきたいと考えます。

あとがき

第3回TAMAテクが幕を閉じてから、早くも2カ月が経過しました。しかし、私たちはイベントを「やって終わり」にするのではなく、そこで生まれた出会いやつながりを活かし、成果を持続させることこそが重要だと考えています。
実際に、イベントを契機に「授乳できる防災服」を防災備蓄品として採用いただくため、多摩市防災安全課の皆さまと意見交換を実施し、どのように市民の皆様に使用いただくのか具体的な協議を進めています。また、多摩大学と連携し、「ストリーモ」がどう街と共存するのか、どのような導入を見込むことができるのかなど、導入の可能性を模索する取り組みも継続中です。
TAMAテクがきっかけとなり、多摩市のスマートシティ化が一層加速し、より豊かな暮らしと未来の創造に寄与できることを目指して、ボーンレックスは引き続き全力で取り組んでまいります。

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